大学で数学を専攻した人が卒業するために

大学で数学を専攻するような人は基本的に高校での数学の成績が良かった人である。彼らの多くは大学に入って2,3ヶ月で絶望する。高校までの数学は理解できていたのに、大学の講義が日本語のテキストを用いて日本語でしているはずなのに全く理解できないということがおこる。

高校までの数学は計算主体である。それは道具としての数学を学んでいるということの他に採点がしやすいということもあるのだろう。

しかし、大学の数学は理論構築の為のものである為、計算はおまけ程度である。学術としての数学は理屈を積み重ね理論を作り上げることにあるのだから、講義では様々な理論の基礎となるものを理解してもらう必要がある。

これが高校までの数学とは大きく異なる為、計算ができたからと言って理解できるわけではないことを思い知らされる。

解析学の基礎としてε-N論法 (数列の収束) や ε-δ論法 (関数の連続) を学ぶがここで躓く人が多数いる。また、関数の連続も 各点連続や区間連続、一様連続などがごっちゃになってしまう。

根本的な問題は今まで日本語を正確に使ってこなかった為にわずかな意味の違いを日本語で表現されても理解できず、数式の説明をされても分からない。

このような状況ではあるが、大学を卒業するためには何より根性が必要である。講義が意味分からないからといって諦めるのではなく、必死で出席をしわからないなりに考え続ければ2,3年後ぐらいには最初に習ったことの意味が理解できるようになる。数学の言葉や式に慣れ理解が進むためにはどうしても時間がかかるので、諦めの悪さが数学の理解につながっていく。