日本の開国

日本は近年まで鎖国状態でした。

鎖国時代の話

1995年にWindows95が販売され、2000年頃に日本全体にブロードバンドの波が押し寄せました。Androidが2008年に登場し、2017年には日本語の漢字約6万文字の国際規格化が完了しました。

その昔のコンピュータは日本語の処理が難しく、Windows95は日本語用が用意され日本で販売されました。コンピュータで文字を扱うには扱う全ての文字に文字コードと呼ばれる数字を割り振る必要がありました。日本語は文字数が多く、日本語を扱うためには欧米で使われる文字コードでは全く足りません。その為、日本ではShift_JISやEUC-JPなどの日本仕様の文字コードを用いる必要がありました。
日本では英文を処理できても外国では日本語の文を処理出来ず、日本国内のソフトウェアは日本国内で作られたものを利用することが多くあり、外国産のソフトウェアは日本のためにローカライズを行うことが多々ありました。

日本語の表示も大変でしたが、入力も特殊な事情がありました。
英文はアルファベットを入力していくだけですが、日本語の入力は平仮名を入力した後に変換を行う必要があります。そのためには日本語変換ソフトが必須となっていました。

表示を行う日本語の文字をまとめたフォントも作成が困難であり、商用のフォントばかりで日本語のフリーフォントは殆どない状況でした。

外国のコンピュータからは日本のウェブサイトを表示するのは難しく、日本とコミュニケーションをとるためには英語で行う必要がありました。
これは良い面もあり、外国からの詐欺やウィルス付きメール等は英語で書かれることが多く無条件で削除を行っていて、脅威にさらされることは少ない状況でした。

開国への道

文字コードが日本独自でありましたが、世界で統一された文字コードUnicodeを作る動きがあり、日本語のほとんどの文字は 2017年 に国際化が完了しました。

「文字情報基盤整備事業」で推進していた漢字6万文字の国際規格化が完了
https://www.ipa.go.jp/about/press/20171225.html

文字コードの整備をすすめる中、日本語フォントも整備されていきました。
IPAでは無料で使えるフォントを公開しています。

IPAフォント新シリーズの公開
https://www.ipa.go.jp/about/press/20100226.html

Web検索サービスの企業として1998年に設立されたGoogleはWebサイトのデータを収集し、この解析した結果を検索サービスに折り込み急激な成長を遂げました。様々なWebサービスを始め、Androidを開発しました。
これらのサービスから集めた情報を活用して日本語変換ソフトをGoogleが開発し、世界中で利用できるようになりました。

文字コードについても多くのOSがUTF-8を標準にするようになり、2019年頃のWindows 10ではメモ帳もUTF-8が標準になるようになっています。これにより、文字コード、日本語フォント、変換システムが世界中で手に入るようになりました。

現在の状況

日本語の扱いが外国のコンピュータでも容易に行えるようになったことで、世界との繋がりが簡単に持てるようになりました。今では、オンライン翻訳もあり、言語の壁はなくなりつつあります。

これにより、日本人をターゲットにした詐欺等も目立ち、日本のサーバへのクラッキングも大きな問題としてニュースで見かけるようになりました。言語の壁により日本語以外を拒絶していた事により外国の悪意を退けていましたが、近年では世界の悪意に晒される様になりました。

それまでは、セキュリティについて重要視されない状況でしたので、システムのセキュリティレベルを挙げ様々な悪意から守ることが現代の急務となっています。しかし、セキュリティに費用をかける企業はまだ少なく、プログラム開発も流行りが重要視されがちです。動作させるシステムの把握を行い無駄なプログラムを導入しない等、セキュリティを意識した開発を行わないとシステム開発は廃れていくかもしれません。

AndroidやMacOSX等、身の回りの多くの機器はUNIX系OSが使われており、自分たちを守る為にもUNIXの知識は必要不可欠になりつつあります。
1970年頃に出来たUNIXが形を少しづつ変えながらも半世紀利用され続けた為、この先もまだまだ利用され続けると考えられます。様々な脅威から守る為、自分たちが攻撃者とならないためにもUNIXの基礎知識は抑えておく必要があるでしょう。