数学の質問箱

Twitter で数学の質問を受け付けているのだが、Twitter が X に代わり今後の運営がどうなるかわからない状況であるのでこちらでプラットフォームを何か準備したいと思う。

数学を勉強するにはいくつかの段階が必要で、まず最初の段階が模範解答を見ることなので、多数の問いとその証明が沢山みられるようになっていれば学習の手助けになる。

掲示板のような形式にし、不特定多数が解答者となるようにするのか、質問内容を非公開にし、解答者を制限するのかどうしようか。

大学で数学を専攻した人が卒業するために

大学で数学を専攻するような人は基本的に高校での数学の成績が良かった人である。彼らの多くは大学に入って2,3ヶ月で絶望する。高校までの数学は理解できていたのに、大学の講義が日本語のテキストを用いて日本語でしているはずなのに全く理解できないということがおこる。

高校までの数学は計算主体である。それは道具としての数学を学んでいるということの他に採点がしやすいということもあるのだろう。

しかし、大学の数学は理論構築の為のものである為、計算はおまけ程度である。学術としての数学は理屈を積み重ね理論を作り上げることにあるのだから、講義では様々な理論の基礎となるものを理解してもらう必要がある。

これが高校までの数学とは大きく異なる為、計算ができたからと言って理解できるわけではないことを思い知らされる。

解析学の基礎としてε-N論法 (数列の収束) や ε-δ論法 (関数の連続) を学ぶがここで躓く人が多数いる。また、関数の連続も 各点連続や区間連続、一様連続などがごっちゃになってしまう。

根本的な問題は今まで日本語を正確に使ってこなかった為にわずかな意味の違いを日本語で表現されても理解できず、数式の説明をされても分からない。

このような状況ではあるが、大学を卒業するためには何より根性が必要である。講義が意味分からないからといって諦めるのではなく、必死で出席をしわからないなりに考え続ければ2,3年後ぐらいには最初に習ったことの意味が理解できるようになる。数学の言葉や式に慣れ理解が進むためにはどうしても時間がかかるので、諦めの悪さが数学の理解につながっていく。

数学に関する書籍の種類

数学について書かれた書籍の分類をまとめた。

数学について書かれた書籍は学術書として書かれたものと一般書として書かれたものがある。

一般書は一般向けに書かれているため内容は正確さがかけるが大まかな流れはわかりやすい。また、扱うテーマが理解しやすいものを扱っている。

学術書として書かれたものは数学を研究対象としての数学として書かれたものと数学を道具として使うことを主として考えられたものがある。要するに純粋数学として書かれたのか他の分野への応用するためのものかの違いである。

純粋数学の立場からは様々な定理等は証明が必要である為、証明はきちんと書いてある書籍の方が良い書籍である。

応用するための書籍には定理とその定理を用いた計算方法の具体例などが書いてあり、証明は必要ではない。具体的な計算が書かれている本が良い書籍である。

数学書は純粋数学として書かれた本か道具として書かれたものかで分かれるが実は見分けにくい。

誰を対象にしているのかが書いてあることが多いのでこれを確認するか、書いている人の学歴や今の所属を確認するか、内容を確認するかにより判断する。

数学の分野によっても状況は変わっており、代数学や幾何学の本は主に純粋数学として書かれたものが多く、解析学や統計学の本は工学や経済学等の道具として書かれたものが多くある。

必要に応じて見分ける必要がある。

数学に関する書籍の大まかな分類

  • 一般書
    一般人向け、縦書き、わかりやすく不正確な内容
  • 数学書(純粋数学)
    数学専攻している人向け、横書き、正確な記述、計算問題などは無い
  • 数学書(応用向け)
    数学以外の分野を専攻している人向け、横書き、正確さは欠け証明などはない、計算問題は多い

笑わない数学

NHKにて 2022年7月13日(水) 23:00 より放送された笑わない数学をみた。

笑わない数学 – https://www.nhk.jp/p/ts/Y5R676NK92/
7月13日(水)放送スタート(全12回) 毎週水曜[総合]後11:00〜11:30

テーマは素数であり、基本的な内容からゼータ関数の話までだった。

以前にもリーマン予想をNHKで放送していたので、その関係もあって取り上げたのかなとは思った。

NHKスペシャル 魔性の難問 リーマン予想・天才たちの闘い
2009年11月15日(日) 午後09:00 〜 午後09:49
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010786_00000

高度な数学は理解が難しい為、映像などでわかりやすく説明をしてあった。リーマンゼータ関数の自明でない零点については複素数には触れず平面上でだけ表現していたので視覚的にはわかりやすく感じたが、このわかりやすさが真に理解するということへの妨げになっているような気もさせられた。

数学の役割

学校では数学を学ぶが高校までで学ぶ内容は主に計算問題を行っている。

計算能力は様々な分析などを行う上で必要な能力であり学ぶことに意味は大きい。また、計算結果があっているか否かで採点をすることが大学入試を始めとした試験の採点上、不公平が無い様にするのに適しているとも考えられる。この為、高校までは特に計計算問題を解く作業を行っている。

数学は計算をすることだけを指すのではないが、このような状況からほとんどの人は「数学とは計算をすることである」と勘違いしている。

数学の役割は、実験結果等の数字の意味を読み解く役割や、日本語や英語などの自然言語の基礎を支える役割を担っている。つまり、数学は言語としての役割を持っている。

学校で数学を教えるのは、「仕事などで使う道具の役割」、「論理的な思考をする脳を鍛える役割」、「日本語を使うための基礎となる言語の役割」があるためであるが、計算をするだけであれば道具の役割しか身につかず、仕事の経験ない子供からは何のために学ぶのかという疑問につながる。

日本では数学をきちんと学べるのは大学で数学を専攻した場合のみに限られるのかもしれない。